日本 VS ウズベキスタン 国際親善試合

日本 VS ウズベキスタン 2015年3月31日 東京

■前提
ハリルホジッチ監督の2戦目
場所を東京に移しての試合。

前の試合ではチュニジアに2-0と快勝。
中3日ということもあり先発を変えると明言していた。

またウズベキスタンは実はザック時代に1敗1分とあまり勝てていない。
アジアの中では実にヨーロッパに近く、体格も大きい相手。
今回は主力が5、6人来ていない中ホームの試合であるため
勝利は必須とも言えるか。

■スタメン
川島

内田 昌子 森重 酒井(高)
今野 青山
本田 香川 乾
岡崎

今日も4-2-3-1
むしろ中盤の二人は前線に残ることが多いので
4-2-1-3のようにも見える。

このフォーメーションの課題はザックのときから同じ。
1対1で抜かれやすい日本が守備を強固にするには
4-4のラインを組まないと厳しい。
最終ラインは良いとして中盤のボランチ以外のあと2人は
誰が下がるのか?

本田、乾というウイングが下がれば安定するが、
攻撃のときに長い距離を走る必要がある。
本田がトップ下で、ポゼッションできていれば
本田がボランチまで下がってゲームメイクするので
守備のときはサイドの岡崎ががんばれば良かった。

今は本田、乾、香川の誰か2人ががんばらないと穴が空くが、、さて。


■前半
世間ではあまり評価されていない前半のようだが、
非常に良い出来だったと思っている。

前半早々に森重の良い縦パスから乾、本田、香川と繋いだプレー
そこで得たCKから青山の10本に1本のスーパーゴール!

ミドルレンジで、綺麗にミートして、右上に突き刺した素晴らしいシュートだった。
だが、これを事故と片付けるのは違う。
彼はそれだけの技術の裏づけもあり、ミドルを撃たせる位置に居たことが重要。


そして前半だが、香川のカウンターから岡崎が決定機を迎えたり
森重の素晴らしい縦パスやロング、酒井の見違えるような的確なプレーが目立つ。

今野は要所をつぶしてはいたが、守備の距離感がやや遠いか。
Jリーグではプレスになってもハイレベルな相手であれば自由にプレーされてしまう恐れがある。
青山もゴール以外では縦パスを狙うもややパスが遅かったり
少し引っかかるシーンもあった。

ボランチはやはり長谷部が常にハイパフォーマンスを見せており、
そこと常に比べられるのはあるが、やはり長谷部のいない不安感は大きかった。

だがおおむね奪って縦パスを入れて、すぐに展開、というプレーは出来ており
それをシュートまで持ち込むシーンも多く良い出来だったと思う


■後半
後半、内田に変えて太田を投入。
酒井を右に回した。

また、今野に変えて水本を投入。
まさかの水本をそのままボランチに。

結果として ”CBの目の前の位置を絶対に空けない”という思索だったと明かしている。
今野はどうしても人に食らい付くため、乾、本田が戻れない場合のフォローに回っていた。

だが、そうすると、ミドルやスルーパスを通される中央を空けてしまう。
優先順位の問題だが、前からプレスする!と意識すると
どこまでも行ってしまうのが日本人。

そこでバイタルに絶対残るように指示することでここを防いだ。
采配としては結果として当たったのだが、
水本自身のプレー水準のおかげというよりは、
CBタイプをここに置いたから、という感じがした。

つまり今野に同じ指示をしても彼は出来たのでは?
また、本番では森重も機動力を考えなければここを出来る。

試合は香川が前を向いてのプレーが多く、スピードを増す。
そして乾が相変わらずトラップまでは完璧なプレー。
仕掛けて取られてを繰り返すも、そのこぼれだまを太田がクロス。

岡崎が飛び込んで2-0。

さらに守備の局面からの一気のカウンターで柴崎が飛び出したGKを見て
50mからのシュート。
岡崎が触らずに観てあげて、柴崎のゴールで3-0。

その後集中が落ちたか、一点を返されるも
さらに宇佐美が独力で突破してのスーパーゴールで4-0。
最後はセットプレーから森重が繋いで川又が執念で押し込んで5-1。

華々しい試合を飾った。


■2試合を観ての考察
・セットプレーについて
CKは実は蹴る側の精度ばかり問題視されるが、
(もちろん中村、遠藤レベルであればそうだが)
さして変わらない場合、ボランチの選手が蹴れば
カウンターで中央が弱くなる。
また、あそこでこぼれ玉を拾うのが乾であったらあのシュートはなかった。

トップの選手やシュートの強い選手がCKを蹴ってしまうと
その後のミドルシュートには繋がらない。
ヘディングが強いはずの本田が蹴るのもおかしい。

そういう理論で、「最近セットプレーでゴールがない」という指摘は
本田の精度が、、、というだけの問題ではない。

そもそもヘディングやシュート力のある本田がCKを蹴っていたのが間違い。
この中でもっとも小柄で、遠めのシュートの苦手な乾に蹴らせたのは
精度だけではないと思う。

もしも、そこまでハリルが考えているならば素晴らしい監督。

・ボランチについて
また、交代で明らかになったのはハリルはボランチに
守備力のない人間はおかない、ということだろう。
柴崎もトップ下で使われており、これまで使われたボランチは
水本、今野、長谷部、山口、青山。

この中では青山が唯一パサータイプではあるが、それなりの対人守備はしていた。
(距離感はいいが、よく抜かれていたが)

青山が確定、という声も大きいが、個人的には不確定要素だと感じている。
長谷部、山口の守備力はそれだけ上位で安定しており、
彼らの控えとして、同じタイプを求めるのか
まったく異なるものを求めるのかにもよるが
よりによって使ったのがCBの水本であった。

これをどう考えるか興味深い。


■選手総評(ウズベク戦)

川島 6.0
可もなく不可もなく。失点シーンはノーチャンスだが、大きなインパクトもなく。

内田 5.5
全体を通して怪我のせいか控えめなプレー、やや精度を欠いたプレーも目立った。
だが守るべきところは守り、先制して全員が集まって喜んでる中でも
相手のプレーを注視し、守りの体制をとっていた彼のメンタルは
確実にこの代表に必要な人材であると印象付けた。

森重 7.0
失点は頂けないが、基本崩されたのはバイタルからのミドルや
太田が入った左サイドだけ。
彼自身は鉄壁の守備、正確なフィード、鋭い縦パスと
失点を防ぎ、得点に繋がるプレーを連発。
個人的にMVPに推したいほどの素晴らしい出来。

昌子 5.5
森重、内田との兼ね合いでよく守っていた。
1対1にさらされるシーンが少なかったが、
たまに見せる対人は強さを見せるも後手に回るシーンも。
初代表で良くやったと思うが。

酒井 6.5
今まで見た中で最高の酒井高だった。
鋭い出足でのチェック、幾度となく的確なサポートとオーバラップ。
何より奪ってからのボールの出しところがバックパスだけでなく
トップへの縦パス、フリーなボランチへの繋ぎなど、
しっかりと高みで安定していた。
乾がもう少し使ってくれれば、、、
後半も右サイドでしっかりと躍動。

青山 6.0
値千金の先制ゴール。これは絶賛しなければならない。
だがボランチとして守備位置は良いが1対1でファールが多く
プレスを抜かれるシーンも目立った。
得意のロングパスも見事なものもあれば単純なミスや
Jリーグなら通るであろうスピード感のものもあり、
もう一歩を求めないと厳しいところも。

今野 5.5
非常に守備で利いていた。
しかしあの距離感での守備ではウズベクが相手でなれけばプレスにならない。
詰めが甘く、少し離し過ぎた印象。
それでもミスをしてきたウズベクのレベルに”合わせた”のならば良いが
Jリーグ標準で慣れてしまったのでは厳しい。
奪ってからのプレーもバックパスが多く△



香川 6.0
果たして誰が何を見て香川を”悪い”と言うのだろうか?
確かにやや自信がなさげであったり、悲壮感漂う表情でのプレーが続く。
それでもこれだけ高水準で中盤でボールを受け、前を向いて運び
決定的なパスを出す。
それを繰り返せている上、惜しいシュートも何本かあった。
もちろん”トップ下”という位置ならば決める必要はある。
だが、プレーの水準や正確なトラップと、その後のプレーの選択に間違いは少ない。

本田 6.0
トップ下本田を見続けた人には物足りないだろう。
ある意味今日の本田は「ミランの本田」であった。
サイドで4-4のラインに入って守備を敢行。
時に内田より後ろまでケアしていた。
攻めの局面では確かにやや戸惑うシーンもあったが
的確な繋ぎと、一度落ち着けたいとき、逆サイドに展開したいときなど
彼の視野は確実に役に立っていた。
今の早い攻めでは本田の技術が活かされる回数自体が減るのは仕方ないが
その質が落ちてるとは言いがたい。

乾 5.0
トラップまでは完璧なプレー。
意外と守備もしっかりと戻り、飛び出してからの流れるようなトラップ
そこからの攻撃の仕掛けがあまりにも単調で残念。
酒井や太田のオーバラップをすべて劣りにするには
自身の成功率があまりにも低かった。


岡崎 6.5
価値ある2点目、そして柴崎のシュートに飛び出した運動量。
プレスとポストに加えてゴールまですべてをこなす
ハイレベルなフォワードに成長している。
今の代表の軸は香川、本田ではなく、間違いなく岡崎が攻撃の主導。



→
太田 5.0 
アシストは見事。
しかし、守備があまりにも酷過ぎた。
ポジショニングも悪く、対人も弱く、かなり厳しい出来だったと言わざるを得ない。

水本 5.5
タスクはこなした。
しかし対人で強さを発揮したというより、そこに居ることで防いだ。
彼自身のプレーの水準はそれほど高くなく、詰めの甘さや
奪ってからの雑なプレーも目に付いた。

柴崎 5.5
ゴールは見事。
前に、前に、と襲い掛かるようなプレス。
リスクを恐れない勇敢なプレースタイルや
常にゴールを狙う意識は素晴らしい。
しかし安定とは真逆の彼のプレーぶりは
やはり代表戦のボランチでは危険と判断されたか
トップ下での出場となった。
それでもボールロストは多く、安定感はなかった。
その分、はまった時の攻撃力は高かった。


宇佐美 6.0
衝撃の代表初ゴール。
青山のゴールも、めったに見られるものではないが、
彼のドリブルも、A代表ではあまりお目にかかれるものではない。
いつもより攻守の運動量もあった。
岡崎へのアシストになりかけたパス、
振りの速いミドルシュートと、
間違いなく相手の脅威となりえる選手だと証明した。

いよいよ代表に定着する時期なのかもしれない。


だが、守備の激しさはもう仕方がないとして、
彼には攻撃のとき、飛び出してボールが来なかったときに、
2度、3度と動きなおす、というそこの運動量をこそ要求したい。

よく宇佐美は運動量がないからだめ、という一般論を聞くが
何の運動量なのか?

守備なのか?
もちろん守備のときにラインに入るのは大事だが、
彼がそれ以上に攻撃の選手と思うのであれば、
攻撃のときに、ボールが来ないとすぐに立ち止まる、
次のプレーに関与するまでの間が長すぎる、
こういったことこそ大問題である。

得意の攻撃のシーンだけでも、岡崎を見習ってもらいたいものだ。


大迫 4.5
何故サイドなのか?
そこは置いておいて、試合に入っていけず、ボールも落ち着かず。
ケルンと言うチームのサッカーの質が悪いことも影響してか
試合勘も悪く、厳しい状況に置かれたといえる。


川又 5.5
最後の最後で結果を出した。
ご祝儀のようなゴールであったが、彼の執念と強さが生んだ。
試合としては大勢が決まった後であったが、
辛うじて今後に繋げたと言えるだろう。



ハリルホジッチ 6.5
実は守備的ではなく、どちらかという普通の戦術。
ややリスクを減らすために、早めの前を意識させたくらいか。
水本のボランチも意外ではあったが、
アギーレも森重で試している策ではある。

しかし何よりも「正常な競争意識」を植え付けたことが
まず一番の収穫。
そして2試合通して勝ちきったことも大きい。
勝つことで積み重なる自信は大きい。


ただ、どちらもホームでの試合で
後半にスパートをかけて勝ちきった試合であった。

今までのレギュラー、や新規が、ということではなく
6人交代で、交代した選手が活躍した、
ということは、疲れや、相手のレベル、ホームであることなど
考慮すべき点はあるだろう。

これが本番や、公式戦でどうなるのか?
たとえば1戦目は、香川、本田が出て、さすが!となった。
しかし2戦目で先発した彼らはゴール、アシストはなく試合を去った。

では途中から出てゴールした宇佐美がもう次世代の主役なのか?
といえばそうではない。
じゃあ彼が先発したら同じ活躍が出来るのか?
それも未知数である。

つまりは、やっと競争が始まった、というだけの話だ。


しかし、それは、サッカーにとって、”良い話” である。







※ この記事は、2015年4月3日にアメブロ「虚言」で書いたものを移しました。

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サッカー日本列島ドロップボール

県を落としてくっつけるパズル。遊びながらJリーグのクラブを知れるにゃ。

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