サッカー観戦記~2015年4月J第5節:鳥栖 VS 山形
2015年4月12日
Jリーグ第5節
鳥栖 VS 山形 1-0(豊田)

前:2勝2敗 9位
後:3勝2敗 5位
■前提
2015年の第5節。
キムミンヒョクが悪質なファールにより4試合出場停止。
社会問題にもなっており、鳥栖は風当たりが厳しい状況。
そんな中、アウェーで2敗し、ナビスコカップでも敗北。
流れが悪い中で、久しぶりにJ1昇格した山形との対戦となった。
■スタメン
GK:林
DF:ソングン 菊地 谷口 吉田
MF:藤田 高橋
MF:水沼 池田 キムミヌ
FW:豊田
■前半
鳥栖と山形はチームスタイルが似ている。
前線からしっかりとプレスをかけていき、手数をかけずに攻める。
やや山形のほうがパス回しがスムーズなのと、
ディエゴの身体の強さ、ヘディングの強さ、
そして川西のテクニックをもって押し込まれるシーンが目立つ。
鳥栖は菊池がしきりにDF陣と話し合い。
キム、丹羽と、いつも居るメンバーが二人も居ないDF陣。
どうにもプレスと、アタックと、ゾーンを組む、という連携が悪く
守備の中央に穴があくシーンが目立つ。
前半何度となくあったピンチ。
サイドからのクロスをどれだけヘディングされても、林が止める。
さらに右サイドを突破され、決定的なシュートはポスト!
鳥栖は吉田が長い距離の縦パスをサイドの深い位置に良く通しており、
そこからの攻撃はスムーズであった。
しかし、ボランチからの展開はまったくなく、縦パスも入らない。
頼みの豊田へのロングボールも質が高いとはいえない。
セービングは素晴らしかったが林もいつもほどキックの質は良くなく、
菊地や林のミスからのピンチも少なくはなかった。
鳥栖は何とか耐え切って前半終了。
■後半
後半、メンバーを代えずに望んだ鳥栖。
あまり変わらない展開ではあったが、ルーズボールやこぼれ球、
そして少しずつの競り合いで鳥栖にボールが回ってくる回数が増えてきた。
そこでやや攻勢を強めて、藤田のロングスローやFK、コータのクロスなど
ゴール前まで攻め入るシーンを作るも、最後の手前での質が悪く繋がらない。
吉田が上手く抜けたり、水沼もキムミヌらとの良い連携を見せるも
ややシュートの意識が低いのか、最後に手数をかけてしまい失敗する場面が多かった。
それでも藤田のロングの縦パスに吉田が強さを活かして縦に突破。
そのまま左足でのクロスが、豊田にドンピシャ!!!に合って
久しぶりの、見事な見事なヘディングでゴールに突き刺し先制!!!
その後、一進一退が続くも、審判のファールの判定のあいまいさもあり
両チームあまりチャンスを作れない。
終盤はカウンターの応酬となったが、最後まで林が壁となり防ぎきって勝利を手にした。
■まとめ
鳥栖は相変わらず奪ったボールがあいまいな質のキックですぐに失うケースが多発。
さらに今日はDFやGKのキックの質もあまり良くなく、繋がらない。
最後の攻撃の質も低く、決定機の数は非常に少なかった。
それでも今日はサイドを突破したり、吉田がいいタイミングでの攻撃参加を見せて
少しは光明が見えてきたか。
逆に池田圭やボランチコンビを含めた中央でのプレーにやや難を感じた。
結果としては、この厳しい試合のなかで「勝ちきった」ことが一番の収穫。
課題はあるが、勝てている状況は実はとても良いこと。
この課題を一つずつ克服すれば、さらに勝てる可能性が広がるからだ。
「課題がないのに、勝てない」 のは かなり苦しい。
課題があるから、だめだ!というわけではない。
やはりプロの世界。
ファンに対しても、結果に対しての責任がある。
もちろん”勝てば何でもいい”わけではないが
勝つ、ということはそれだけの価値がある。
■選手総評
林 7.5
間違いなく今日のMVP。4,5回はあった決定的ピンチを防いで勝利を手繰り寄せた。
キックの質には改善の余地もあるが、勝利にもっとも貢献した選手といえる。
ソングン 5.5
攻守に奮闘し、時に高いテクニックを見せる。守備ではまだ迷いも見えるか。
鳥栖の運動量にはまだ付いていけず、後半は疲労から交代。
谷口 5.0
決定的ピンチで身体を寄せきれずシュートを撃たれるシーンが悪印象。
それでも高さと強さで一定の守備力を保つことは出来ていた。
菊地 5.5
いつもの安定感はなく、バタバタとした守備に追われる。
珍しくビルドアップやフィードの質が悪く、攻撃に上手く繋げることは出来なかった。
それでも膠着状態を打破すべく、DFラインから持ち上がってのプレイを試みた。
吉田 6.5
身体の強さを活かして1対1の守備でボールを奪いきる力を見せた。
最終ラインで奪われるシーンもあり、プレーの選択の不安定感はあったが、
攻めては、豊田へのアシストを含め、質の高いロングキックで貢献した。
藤田 5.5
中盤での守備には貢献したが、本来の繋ぎの質や、ロングキック等が悪く、
数多くあったロングスローや、FKをゴールに繋げることは出来ず。
スムーズなビルドアップや、攻撃に繋げる縦パスは出来なかった。
それでも決勝点のシーンでは良い質のボールをサイドに供給した。
高橋 5.0
中盤での激しさは見せたが、奪ったあとの繋ぎに難も。
またハイボールが増えた終盤は身長の差もあり、守備力を発揮できなかったか。
水沼 5.5
この日は攻守に気合の入ったプレーを披露。
後半はさすがに疲れも見えたが、幅広い動きと技術の高さで貢献。
ただゴール前ではもっと積極的に行ってもらいたい。
池田 5.0
ハードワークは怠らなかったが、ゴール前での質を欠いた。
それでも豊田が厳しいマークの中、ロングボールに競り続けたことは
チームに対して相当の貢献度となっていた。
キムミヌ 5.0
やはり、相棒となるSBが不確定である中、上手く技術を発揮する場面が少なかった。
シュートにクロスにドリブルに、その技術の高さと運動量の豊富さ、
”がんばり”は賞賛に値するが、試合への貢献は少なかったと言わざるを得ない。
豊田 6.5
結局、この苦しい試合を救ったのはエースの一撃であった。
数少ないチャンス、そして得意の空中戦で競り勝ち、決勝点を挙げた。
終始戦い続けたが、シュートへの積極性、ゴール前での脅威はやや薄れたか。
それでもこの決勝点には唯一無二の価値がある。
磯崎 6.0
チェの疲労により交代出場。
ベテランらしくソツなく守備に銃身を置いたプレー。
ペク -
時間が短く、評価するほどのプレーは出来ず。
森下 5.5
何度も書いているが、この内容でも勝ちきったことは大きい。
キムミンヒョクの問題。
アウェーでの連敗。
この苦しい時期の勝利は選手、チーム、サポーターにとって大きい勝利となった。
ただ、苦しい試合で勝ちきったのは、選手個人のがんばりによる所が大きい。
■追記:豊田のインタビュー
「鳥栖は華麗なプレーや、素晴らしいプレーは出来ません。
それでも一生懸命さや、選手のがんばりを観て、
何かを感じてくれたら。」
課題を挙げることや指摘することは大事だが、
それ以上にそもそも、鳥栖はJの中でも決して上手いチームではない。
絶対に勝てるチームなど、Jの中には居ない。
ただ、毎試合必死に戦って、泥臭く1点を奪い、全員で必死に守る。
かっこ悪くても、みっともなくても戦い続ける。
そこに何か伝わるものがあるはず。
そう語る豊田は、まさに鳥栖の魂の象徴だと思う。
こんなたった1試合のたった1点に、ここまでの感動と、重さを感じる。
サッカーとは、かくも、精神を揺さぶるものだ、と思った。
ピンチには泣きそうなほど不安になり、
ポストに救われて安堵の声あげ、
苦しみぬいた時間の後にエースの一撃に歓喜の叫びをあげる。
結局は、それすらも鳥栖の魅力であり、
どんなに負けそうな試合でも諦めず戦い、
そして運も味方したにせよ、こんな試合でも勝ってしまう。
必死さ、全力を出し切ることが、心を揺さぶる。
そして、その必死さが、この結果を生んだ。
そして、それがこの感動を生み出すのだろう。
■鳥栖の現状
攻撃:
どうしても豊田一辺倒の戦いは読まれてきている。
ロングボールにしても、吉田がサイドの高い位置を狙ったプレーをしていたが、
それも選手のアイディアに依存しているように感じる。
基本、豊田か池田への雑なロングボールが多い。
そのセカンドボールを拾える確率も低く、攻撃に連動性が足りない。
また、攻撃をやり直したときに、藤田やSBから縦パスが入ることも少なく
どうしても攻撃のスイッチが入らない。
唯一、得点への道筋は豊田へのクロスか、高い位置で奪ったカウンターだけ。
カウンターのシーンでもシュートへの迷いを感じる選手が多く、
チャンスの割りにそこまで有効な攻撃が出来ていない。
水沼とキムミヌの連携は新しいアイディアを感じる場面も多いが、
ここに豊田、池田が上手く絡めていない。
光明としては、吉田のロングパスと身体を生かした突破力、
そして練習のときから見せる良質なクロスは
安田の穴を埋める可能性を見せていた。
彼とキムミヌ、水沼らサイド攻撃を強めて、
中央は池田かペクあたりが強さを発揮してくれば
もう少し攻撃に厚みを出せるだろう。
またFKやロングスローなど、セットプレーもだいぶ研究されているのか
上手く守られてしまっている。
開幕戦で見せた池田圭のゴールのように、苦しいときはセットプレーは大事になる。
藤田以外のキッカーや、豊田だけでない、ほかの選択肢を選ぶなど
工夫を交えてゴールの確率を高めて欲しい。
守備:
この試合では丹羽、キムミンヒョクが欠場し、
菊地もラインコントロールに苦心していた。
珍しいミスも多く、相手のシュートミスや、オフサイドに助けられた。
個々のがんばりで防いでいたが、チームととして連動した守備が出来ていない。
ボランチで防波堤となりきれないシーンも多い。
それでも大量失点せず耐え切れているのは、菊地、林らの個人能力のおかげ。
今のうちに、守備組織を再構築しなければ上位には通用しないだろう。
監督:
攻撃が行き詰ったときの選択肢が少なく、
攻めに行くための交代策や戦術がないように感じる。
この試合でも吉田と豊田の個人のがんばりでゴールを奪えたが、
そもそもゴール前まで上手く運べるシーンも少なく、
このままでは安定して得点を重ねることは難しいだろう。
また守備も穴が多く、ゴール前で一歩詰めきれずシュートを撃たれるシーンが目立つ。
谷口がもともとCBの選手ではないのもあるが、
小林の起用や、岡本のボランチ起用など、
守備力を高める策をとることも検討してほしい。
この日も終盤は5バックで守りきってもいいのだが、
最後の交代は攻撃のペクだった。
残り5分で出すなら、守備の選手を増やして跳ね返す。
ペクを出すなら、残り15分程度であと1点を求める、など、
意図の判る交代であればいいが、少し意図を測りかねる交代となった。
単に交代により終盤の時間稼ぎを狙ったのかもしれないが、
先発の選手の疲労も目立っており、ナビスコ杯でもほぼ同じメンバーだった事もあり、
もう少し、考慮した起用をしてほしいと思う。
ただし、それも、勝ち負けの結果論にはなる。
結果としてこの日は勝った。
先発選手を残したからこそ奪えたのかもしれない。
その答えは誰もわからない。
ただ、チームとしてもう少し可能性のある攻撃、
もう少し連動した守備を見せて欲しい。
■その他
この日は 九州だJ!ということで九州のJリーグのマスコットが勢ぞろい!
そして、ピッチ上では各サポーターを集めての球入れ大会が行われた。
普段選手が立つピッチに立てたサポーターは一生の思い出になるだろうし、
非常に面白い試みだと思った。
鳥栖は、基本 「おもてなし」のチームである。
相手サポーターへの立ちあがっての拍手での歓迎や
相手サポへのプレゼント、そして敬意を表する気持ち。
今こそ、そういった鳥栖の良い面も伝われば、と願う。


Jリーグ第5節
鳥栖 VS 山形 1-0(豊田)

前:2勝2敗 9位
後:3勝2敗 5位
■前提
2015年の第5節。
キムミンヒョクが悪質なファールにより4試合出場停止。
社会問題にもなっており、鳥栖は風当たりが厳しい状況。
そんな中、アウェーで2敗し、ナビスコカップでも敗北。
流れが悪い中で、久しぶりにJ1昇格した山形との対戦となった。
■スタメン
GK:林
DF:ソングン 菊地 谷口 吉田
MF:藤田 高橋
MF:水沼 池田 キムミヌ
FW:豊田
■前半
鳥栖と山形はチームスタイルが似ている。
前線からしっかりとプレスをかけていき、手数をかけずに攻める。
やや山形のほうがパス回しがスムーズなのと、
ディエゴの身体の強さ、ヘディングの強さ、
そして川西のテクニックをもって押し込まれるシーンが目立つ。
鳥栖は菊池がしきりにDF陣と話し合い。
キム、丹羽と、いつも居るメンバーが二人も居ないDF陣。
どうにもプレスと、アタックと、ゾーンを組む、という連携が悪く
守備の中央に穴があくシーンが目立つ。
前半何度となくあったピンチ。
サイドからのクロスをどれだけヘディングされても、林が止める。
さらに右サイドを突破され、決定的なシュートはポスト!
鳥栖は吉田が長い距離の縦パスをサイドの深い位置に良く通しており、
そこからの攻撃はスムーズであった。
しかし、ボランチからの展開はまったくなく、縦パスも入らない。
頼みの豊田へのロングボールも質が高いとはいえない。
セービングは素晴らしかったが林もいつもほどキックの質は良くなく、
菊地や林のミスからのピンチも少なくはなかった。
鳥栖は何とか耐え切って前半終了。
■後半
後半、メンバーを代えずに望んだ鳥栖。
あまり変わらない展開ではあったが、ルーズボールやこぼれ球、
そして少しずつの競り合いで鳥栖にボールが回ってくる回数が増えてきた。
そこでやや攻勢を強めて、藤田のロングスローやFK、コータのクロスなど
ゴール前まで攻め入るシーンを作るも、最後の手前での質が悪く繋がらない。
吉田が上手く抜けたり、水沼もキムミヌらとの良い連携を見せるも
ややシュートの意識が低いのか、最後に手数をかけてしまい失敗する場面が多かった。
それでも藤田のロングの縦パスに吉田が強さを活かして縦に突破。
そのまま左足でのクロスが、豊田にドンピシャ!!!に合って
久しぶりの、見事な見事なヘディングでゴールに突き刺し先制!!!
その後、一進一退が続くも、審判のファールの判定のあいまいさもあり
両チームあまりチャンスを作れない。
終盤はカウンターの応酬となったが、最後まで林が壁となり防ぎきって勝利を手にした。
■まとめ
鳥栖は相変わらず奪ったボールがあいまいな質のキックですぐに失うケースが多発。
さらに今日はDFやGKのキックの質もあまり良くなく、繋がらない。
最後の攻撃の質も低く、決定機の数は非常に少なかった。
それでも今日はサイドを突破したり、吉田がいいタイミングでの攻撃参加を見せて
少しは光明が見えてきたか。
逆に池田圭やボランチコンビを含めた中央でのプレーにやや難を感じた。
結果としては、この厳しい試合のなかで「勝ちきった」ことが一番の収穫。
課題はあるが、勝てている状況は実はとても良いこと。
この課題を一つずつ克服すれば、さらに勝てる可能性が広がるからだ。
「課題がないのに、勝てない」 のは かなり苦しい。
課題があるから、だめだ!というわけではない。
やはりプロの世界。
ファンに対しても、結果に対しての責任がある。
もちろん”勝てば何でもいい”わけではないが
勝つ、ということはそれだけの価値がある。
■選手総評
林 7.5
間違いなく今日のMVP。4,5回はあった決定的ピンチを防いで勝利を手繰り寄せた。
キックの質には改善の余地もあるが、勝利にもっとも貢献した選手といえる。
ソングン 5.5
攻守に奮闘し、時に高いテクニックを見せる。守備ではまだ迷いも見えるか。
鳥栖の運動量にはまだ付いていけず、後半は疲労から交代。
谷口 5.0
決定的ピンチで身体を寄せきれずシュートを撃たれるシーンが悪印象。
それでも高さと強さで一定の守備力を保つことは出来ていた。
菊地 5.5
いつもの安定感はなく、バタバタとした守備に追われる。
珍しくビルドアップやフィードの質が悪く、攻撃に上手く繋げることは出来なかった。
それでも膠着状態を打破すべく、DFラインから持ち上がってのプレイを試みた。
吉田 6.5
身体の強さを活かして1対1の守備でボールを奪いきる力を見せた。
最終ラインで奪われるシーンもあり、プレーの選択の不安定感はあったが、
攻めては、豊田へのアシストを含め、質の高いロングキックで貢献した。
藤田 5.5
中盤での守備には貢献したが、本来の繋ぎの質や、ロングキック等が悪く、
数多くあったロングスローや、FKをゴールに繋げることは出来ず。
スムーズなビルドアップや、攻撃に繋げる縦パスは出来なかった。
それでも決勝点のシーンでは良い質のボールをサイドに供給した。
高橋 5.0
中盤での激しさは見せたが、奪ったあとの繋ぎに難も。
またハイボールが増えた終盤は身長の差もあり、守備力を発揮できなかったか。
水沼 5.5
この日は攻守に気合の入ったプレーを披露。
後半はさすがに疲れも見えたが、幅広い動きと技術の高さで貢献。
ただゴール前ではもっと積極的に行ってもらいたい。
池田 5.0
ハードワークは怠らなかったが、ゴール前での質を欠いた。
それでも豊田が厳しいマークの中、ロングボールに競り続けたことは
チームに対して相当の貢献度となっていた。
キムミヌ 5.0
やはり、相棒となるSBが不確定である中、上手く技術を発揮する場面が少なかった。
シュートにクロスにドリブルに、その技術の高さと運動量の豊富さ、
”がんばり”は賞賛に値するが、試合への貢献は少なかったと言わざるを得ない。
豊田 6.5
結局、この苦しい試合を救ったのはエースの一撃であった。
数少ないチャンス、そして得意の空中戦で競り勝ち、決勝点を挙げた。
終始戦い続けたが、シュートへの積極性、ゴール前での脅威はやや薄れたか。
それでもこの決勝点には唯一無二の価値がある。
磯崎 6.0
チェの疲労により交代出場。
ベテランらしくソツなく守備に銃身を置いたプレー。
ペク -
時間が短く、評価するほどのプレーは出来ず。
森下 5.5
何度も書いているが、この内容でも勝ちきったことは大きい。
キムミンヒョクの問題。
アウェーでの連敗。
この苦しい時期の勝利は選手、チーム、サポーターにとって大きい勝利となった。
ただ、苦しい試合で勝ちきったのは、選手個人のがんばりによる所が大きい。
■追記:豊田のインタビュー
「鳥栖は華麗なプレーや、素晴らしいプレーは出来ません。
それでも一生懸命さや、選手のがんばりを観て、
何かを感じてくれたら。」
課題を挙げることや指摘することは大事だが、
それ以上にそもそも、鳥栖はJの中でも決して上手いチームではない。
絶対に勝てるチームなど、Jの中には居ない。
ただ、毎試合必死に戦って、泥臭く1点を奪い、全員で必死に守る。
かっこ悪くても、みっともなくても戦い続ける。
そこに何か伝わるものがあるはず。
そう語る豊田は、まさに鳥栖の魂の象徴だと思う。
こんなたった1試合のたった1点に、ここまでの感動と、重さを感じる。
サッカーとは、かくも、精神を揺さぶるものだ、と思った。
ピンチには泣きそうなほど不安になり、
ポストに救われて安堵の声あげ、
苦しみぬいた時間の後にエースの一撃に歓喜の叫びをあげる。
結局は、それすらも鳥栖の魅力であり、
どんなに負けそうな試合でも諦めず戦い、
そして運も味方したにせよ、こんな試合でも勝ってしまう。
必死さ、全力を出し切ることが、心を揺さぶる。
そして、その必死さが、この結果を生んだ。
そして、それがこの感動を生み出すのだろう。
■鳥栖の現状
攻撃:
どうしても豊田一辺倒の戦いは読まれてきている。
ロングボールにしても、吉田がサイドの高い位置を狙ったプレーをしていたが、
それも選手のアイディアに依存しているように感じる。
基本、豊田か池田への雑なロングボールが多い。
そのセカンドボールを拾える確率も低く、攻撃に連動性が足りない。
また、攻撃をやり直したときに、藤田やSBから縦パスが入ることも少なく
どうしても攻撃のスイッチが入らない。
唯一、得点への道筋は豊田へのクロスか、高い位置で奪ったカウンターだけ。
カウンターのシーンでもシュートへの迷いを感じる選手が多く、
チャンスの割りにそこまで有効な攻撃が出来ていない。
水沼とキムミヌの連携は新しいアイディアを感じる場面も多いが、
ここに豊田、池田が上手く絡めていない。
光明としては、吉田のロングパスと身体を生かした突破力、
そして練習のときから見せる良質なクロスは
安田の穴を埋める可能性を見せていた。
彼とキムミヌ、水沼らサイド攻撃を強めて、
中央は池田かペクあたりが強さを発揮してくれば
もう少し攻撃に厚みを出せるだろう。
またFKやロングスローなど、セットプレーもだいぶ研究されているのか
上手く守られてしまっている。
開幕戦で見せた池田圭のゴールのように、苦しいときはセットプレーは大事になる。
藤田以外のキッカーや、豊田だけでない、ほかの選択肢を選ぶなど
工夫を交えてゴールの確率を高めて欲しい。
守備:
この試合では丹羽、キムミンヒョクが欠場し、
菊地もラインコントロールに苦心していた。
珍しいミスも多く、相手のシュートミスや、オフサイドに助けられた。
個々のがんばりで防いでいたが、チームととして連動した守備が出来ていない。
ボランチで防波堤となりきれないシーンも多い。
それでも大量失点せず耐え切れているのは、菊地、林らの個人能力のおかげ。
今のうちに、守備組織を再構築しなければ上位には通用しないだろう。
監督:
攻撃が行き詰ったときの選択肢が少なく、
攻めに行くための交代策や戦術がないように感じる。
この試合でも吉田と豊田の個人のがんばりでゴールを奪えたが、
そもそもゴール前まで上手く運べるシーンも少なく、
このままでは安定して得点を重ねることは難しいだろう。
また守備も穴が多く、ゴール前で一歩詰めきれずシュートを撃たれるシーンが目立つ。
谷口がもともとCBの選手ではないのもあるが、
小林の起用や、岡本のボランチ起用など、
守備力を高める策をとることも検討してほしい。
この日も終盤は5バックで守りきってもいいのだが、
最後の交代は攻撃のペクだった。
残り5分で出すなら、守備の選手を増やして跳ね返す。
ペクを出すなら、残り15分程度であと1点を求める、など、
意図の判る交代であればいいが、少し意図を測りかねる交代となった。
単に交代により終盤の時間稼ぎを狙ったのかもしれないが、
先発の選手の疲労も目立っており、ナビスコ杯でもほぼ同じメンバーだった事もあり、
もう少し、考慮した起用をしてほしいと思う。
ただし、それも、勝ち負けの結果論にはなる。
結果としてこの日は勝った。
先発選手を残したからこそ奪えたのかもしれない。
その答えは誰もわからない。
ただ、チームとしてもう少し可能性のある攻撃、
もう少し連動した守備を見せて欲しい。
■その他
この日は 九州だJ!ということで九州のJリーグのマスコットが勢ぞろい!
そして、ピッチ上では各サポーターを集めての球入れ大会が行われた。
普段選手が立つピッチに立てたサポーターは一生の思い出になるだろうし、
非常に面白い試みだと思った。
鳥栖は、基本 「おもてなし」のチームである。
相手サポーターへの立ちあがっての拍手での歓迎や
相手サポへのプレゼント、そして敬意を表する気持ち。
今こそ、そういった鳥栖の良い面も伝われば、と願う。


※ この記事は、2015年4月12日にアメブロ「虚言」で書いたものを移しました。
